強いチームとはどんなチームなのか?
その問いの答えを求めてTHE CULTURE CODEという本を読んでみました。
序章を読んで強いチームの一端が見えたのでまとめておきます。
チーム力を探る実験
ピーター・スキルマンというデザイナーが「マシュマロ・チャレンジ」という実験を行いました。
実験内容は4人チームで乾燥スパゲッティ20本、90cmのセロテープと糸、マシュマロ1個を使ってより高いタワーを立てるというものです。
この実験のために集まったチームは幼稚園児、学生、エンジニア、デザイナー、企業の役員など多岐にわたるチームが集まりました。
集まったチームでより高いタワーを建てたチームはどのチームだったのでしょうか?
意外なことに高いタワーを立てることができたのは幼稚園児チームでした。
実験は数十回に渡って繰り返されたが、幼稚園児のチームは平均66cmのタワーを築きました。
一方、その他の大人で構成されたチームは平均25cmに満たなかったのです。
どのようにタワーが建てられたのか
それぞれのチームでどのようにタワーが建てられたのでしょうか。
大人のチームと幼稚園児のチームの違いを見ていきましょう。
大人チームの連携
大人チームは戦略を議論し、戦略の候補を絞ってうまくいきそうな候補を試しました。
その動きは合理的で統制がとれた連携をとっていたようです。
幼稚園児チームの連携
幼稚園児チームは戦略をたてません。
分析も質問も提案もしません。会話に秩序もありません。
無言で材料を掴んで何も考えずに組み立て始めます。
口を開いても「こっち!違う、こっちだってば!」のような短い会話をして組み立てることに没頭します。
大人チームと幼稚園児チームの連携だけをみると、どう見ても大人チームの方が高いタワーを立てられるように見えます。
幼稚園児チームはなぜ高いタワーを立てることができたのでしょうか?
チームの相互作用
大人チームと幼稚園児チーム、2つのチームで何が起きていたのか分析してきましょう。
大人チームは統制が取れていて協力しているように見えますが、
頭の中では
- 誰がリーダーか?
- どのような発言をするといいか?
- チームの中の見えないルールは何か?
といったタワーを立てることとは別に自分の立ち位置を考えるステータスマネジメントを行っている状態になっています。
また、戦略ができるまでは実際にタワーを立てることを行わないので失敗までのリードタイムが長いです。
失敗までのリードタイムが長くなることでタワーを建てる試行回数が少なくなります。
一方で幼稚園児チームは動き自体はでたらめだが、自分の立ち位置を考えることはないためチーム全員が同等の立場です。
そのため失敗することに躊躇うことがありません。
他のメンバーがやっていることに対しても、もっと高くできそうなアイデアを思いついたら論理はなくとも遠慮なく口を出していきます。
考える前にタワーを建てることに挑戦するため試行回数が多くなることもタワーが高くできる要因です。
試行回数が多いことでマシュマロが意外に重いこと、スパゲッティが意外と折れやすいことに早く気づくことができるのです。
強いチームとは
大人チームと幼稚園児チームを見比べることで強いチームの姿が見えてきます。
強いチームはメンバーが対等な存在で、失敗を恐れず何度も挑戦することができます。
THE CULTURE CODEはそんな強いチームを作るためには何が必要なのかが書いてあります。
これからチームビルディングをしていく方などにはおすすめの一冊なので目を通してみてはいかがでしょうか。